今日が人生の最後と思って

 大変ご無沙汰している方からメッセージを頂きました。

僕が大変可愛がって頂いた方についての、ニュース記事のリンクをお送り頂いた内容でした。


その方が、80年間の人生を閉じられた。


その方の、訃報のニュース記事でした。


自分にとっては前世(得度前をそう呼ばせて頂いておりますが)、つまり、すでに死んだも同然の人間の時代の事なので、あまり自分が語るべきではありませんが、大変有難きご恩を頂いた方なので、少しその事を。


その方との出会いは、10年ほど前、大変に不思議なご縁から生まれました。


当時、自分が「成功の快楽」への欲望に苛まれ苦しみ、そのバランスを取ろうと「何か」を探してさまよっていた時、とある「牧場」のご縁でお会いさせて頂きました。

その方は、個人の名を世に出そうというタイプではない方でありましたが、今や、かなりの方が(自分含め)お世話になったサービスを提供されていらっしゃる企業を一大で築き上げられた、大変有名な企業の創業者であり、また、世の中に対して強いメッセージを発信されていらっしゃる方でもありました。

ビジネスで積み上げてこられたものもスゴいのですが、プライベートでもとても大きな事をされていらっしゃり、自分はプライベートのご縁で、その方の持つ「牧場」でお会いさせて頂く機会が生まれ、その初日から「小野くん、まぁ飲みなさい」とご一緒させて頂き、それ以来、ちょくちょくお電話を頂き「飲みませんか」とお誘い頂き、可愛がって頂きました。

その方とのご縁で、自分もプライベートで大きな趣味がひとつ増え、「何かで世界の舞台を目指してみる」という大変貴重な体験を頂いたり、その過程で、自分の小さき師匠と呼べる方との出会いが生まれ、その小さき師匠との濃い師弟関係の時間を得られ、でも、その小さき師匠の急逝による突然の別れを経験し…

これまでに無い様々な体験や人とのご縁を頂く機会を頂戴し、また個人的にも隣で座らせて頂き飲ませて頂きながら、多くの学びを得させて頂き、大変恩を頂きました。

なにより、大変可愛がって頂きました。

そんな恩を沢山頂いた方でありました。

2022年8月、自分が突然ビジネスの世界から離れた時、結果的にその後得度に至るインドへの旅へ発つ直前にも、その方よりお電話を頂き、一緒に飲ませて頂く時間を頂きました。

自分がビジネスを離れた事に大しても、さほど驚かず「そうですか」とさわやかに受け止めて頂き、その後の生き方について何ら見通しがない僕に対しても「おもしろそうじゃないですか」と、大いに前向きな期待の言葉を僕にかけて頂き、勇気を与えてくださいました。

その後、僕はインドで得度することになってしまい、すっかり生き方が変わってしまった後でも、その方よりお電話を頂き、でも、その電話に気がつけず、折返しお電話をするも繋がらず。


結局、インドへ旅立つ直前に飲みをご一緒させて頂いたのが、その方との最後の面会、会話となりました。


そして、昨日、その方の訃報のニュース記事を、共通の知人よりシェア頂いた次第です。

様々な想い出や、恩を思い出しながら、とはいえ、最後に一緒に飲む機会も頂き、ステキな笑顔を見せて頂き、共に未来へ「おもしろそう」と気持ちをもってお別れできたのは、とても有難き事であった。そう思い返しました。

ただただ、「有り難いなぁ。有難うございました。」

その気持ちで一杯でありました。


これまで、時に20代であったり、様々な年代の方との「別れ」を経験させて頂きました。

何年生きたかは関係なく、それぞれの方々との最後の想い出は、有難くも、笑顔に溢れたものばかりです。

もちろん、別れの時は、悲しく、つらく、寂しさもある。

でも、有り難いのは、「最後、笑顔な姿で会えていた」という事です。

自分ももちろん、必ずいつかオワリを迎える。あっけなく、ただ、呼吸が止まる時が来るわけで、しかも、それはいつになるかわからないワケです。
が、ただ、改めて思うのは、

「いつ、オワリが訪れても、笑って閉じられるよう、その瞬間瞬間を大切に丁寧に積み重ねたい」

という思いです。

そうさえしていれば、自分や、その相手の方の人生が、ふっといつオワリを迎えたとしても、
その相手の方との「最後の想い出」も、笑顔とともに、大切と思える時間でいられるから。

言い古された、聞き飽きたかもしれない言葉ではありますが、

今日を、いまこの瞬間を、最後かもしれないと思って、丁寧に、まっすぐに向き合って生きる。

それを続けてさえいられれば、常にふとやってくる様々な別れに対しても「寂しいけれど、でも善き時間を頂けたじゃないか」
そう笑ってお別れができるのではないか。

そんなふうに改めて感じた次第でした。

大変に、ステキな時間を頂き、有難うございました。


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