ブッダの遺言に生きるヒントが詰まっている - 日常で役立つ やさしいブッダの教え4
80歳で生涯を閉じたブッダが最期に残したとされるメッセージ。つまり遺言。
それは
「もろもろの事象は変化し過ぎ去るものである。油断せず努力し続けなさい。」
※ダンマパダ20章273-289句、大パリニッバーナ教 最後のことば 6-7
というもの。
個人的には、この一文に、ブッダの教えが全て詰まっているのでは、と思っております。
僕らが抱える様々な不安や悩み、苦しみの根っこの根っこは
「もろもろの事象は変化し過ぎ去るもの」
という事実から生じる。
実は自分という存在すら、変化し過ぎ去る。
そう考えている、この自身の意識すら、実体があるようで確たる固定のモノではなく、過ぎ去るモノ。
「なにそれ。そんなの、なんだか切ないし。悲しい。」
でも、だからこそ「油断せず努力し続けなさい」
そうすれば、平安な心を手に入れられる。
いったい、どうやって?
大丈夫です。順番に見ていきましょう。
その前に蛇足ですが、自分はブッダのこのラストメッセージがとても好きです。
2500年にもわたって、その教えが大切に残され、その過程で神格化されていき、一部の経典ではアベンジャーズのスーパースターのように描かれているブッダですが、
このラストメッセージにまつわる経典では、実に人間くさいブッダの様子が描かれています。
疲れて、横になりたいと言い、水を飲みたいといい、そして死んでいく。
生き、悩み、80歳で死んだ一人の人間にすぎない。
そして、彼の臨終の際に嘆く弟子たちに対して
「生命も、あらゆるものと同様に過ぎ去るものと教えたじゃないか。だからくよくよするなよ。そして最後まで油断せず努力し続けなよ。」と励ます。
勝手な想像でしかありませんが、ブッダ自身も、生身の人間として、油断しそうに感じる自分がいたからこそ「最後まで油断するな」と伝えてくれたのではないか。そう考えています。
事実は誰にもわかりませんが、そう考えると、ちょっと勇気を頂けないでしょうか。
誰だって、完璧な人などいないかもしれないけれど、努力し続ければ、心の平安は手に入れられるのだ、と。
かなり、自分なりの解釈が含まれているかもしれませんが、このブッダのラストメッセージを励みにして、実際の彼の教えの中身に入っていきたいと思います。
最後まで油断せずに、一緒に参りましょう。
次は「ブッダの思想の土台」です。